多くの人が間違い!正しい筋膜リリースの知識

こんにちは!二子玉川のカイロプラクター原田勇人です!

今回は巷で人気が出てきている「筋膜リリース」についてお話しします。

あなたは正しい筋膜リリースを知っていますか?

筒状のフォームローラーやテニスボールなんかで筋膜リリースは出来ません。

世の中には間違った知識がいっぱいなので、これを読んで筋膜に対する正しい知識を持って有効利用しましょう!

そうすればあなたのカラダは生まれ変わりますよ!

 

筋膜とは

まずは筋膜について知らなければ始まりません。

日本ではすでに「筋膜」という言葉一般的になってしまいましたが、元々の概念は英語で「Fascia」と呼ばれるものです。

これを日本語で「筋膜」と訳してしまったために色々と誤解が生じることになりました。

膜というと、どうしても一枚のペラペラしたものと思いがちですが、実際には体の中ではそのような組織ではないんです。

残念ながら「筋膜!筋膜!」と言っている方々は本当の生体内の筋膜を目にしたことがない方たちばかりなのです。

 

構造

筋膜の構造はエラスチンとコラーゲンという2つのタイプの繊維状のタンパク質がガーゼのように織り込まれて作られています。

赤いのがエラスチン、水色がコラーゲン

この2つの繊維は対照的な性質を持っており、エラスチンは弾力性と伸縮性がありますが、コラーゲンは固く、弾力性も伸縮性も低い繊維です。

またエラスチンとコラーゲンはお互いに絡み合っているので、普段の動きで伸縮するときは主にエラスチンが作用し、伸びすぎを止めてくれたり、膜そのものの形状を維持するにはコラーゲンが主に作用するという相互作用があります。

筋膜に力が加わると、エラスチンが伸び、次いでコラーゲンが伸びるという仕組みですが、エラスチンだけでは伸び続けてしまって、最後には切れてしまうということになりかねないので、伸縮性が少ないコラーゲンがエラスチンの伸びにブレーキをかけてくれます。

そうすることで筋膜は最大で元の状態より2.5倍近くまで伸びることがわかっています。

 

また筋膜というのは読んで字のごとく、「筋肉についている膜」と考えたくなりますが、英語では「Fascia(ファッシャ)」と言います。

これを日本語にするときに「筋膜」と訳してしまったので、筋肉に固執してしまいがちですが、本当の意味は「結合組織」であって、筋肉以外にも全身に張り巡らさられているものです。

柔らかい内臓の位置を決めてくれているのも「結合組織」です。脳を包んでいる「結合組織」もありあます。

ですが、ここでは筋肉に対する筋膜ということでお話しをしていきます。

 

筋膜はどこにある

筋膜の構造に関しては説明したとおりですが、実際に筋膜は全身にあるとはいえ、どこにあるのでしょうか。

筋肉を対象にして話すならば下の図が参考になります。

筋膜は皮膚のすぐ下にある真皮、皮下結合組織、脂肪といったもので出来ている浅筋膜と、その下に存在する深筋膜がある。そして筋肉を包む筋外膜と筋束を包む筋周膜、最後に筋線維を包む筋内膜があります。

筋肉に関してだけでも、これだけの筋膜が存在します。多すぎますね。

そして内臓にも脳にも存在する膜は、「第二の骨格」とも呼ばれるくらい人体にとって必要なものなのです。

 

鶏肉を調理するときについている「白っぽい膜って邪魔だなー」って思ったことありませんか?

まさしくそれが深筋膜であり、以前は人体解剖を行う際にも邪魔な存在として扱われてきました。

それが現在では「第二の骨格」として非常に研究が進み始めている分野でもあります。

 

※補足:実際にはこのように浅筋膜、深筋膜というくくりは出来ず、結合組織内における構成要素によって微妙に異なるものとされています。

 

筋膜の研究

医学や医療の分野というのは日々目覚ましい発展を遂げています。

もちろんこの筋膜に関する研究もどんどん進んでいます。

しかしながら、日本は相当遅れていると思います。というか、テレビや雑誌等のメディアのせいで正確な情報が伝わっていないことが多いです。

それに「筋膜リリース」と言っている人たち自身が筋膜に関して正確な知識を持ち合わせていないこともあります。

あとは知識を持っていても、実際に人体における筋膜を目にしたこともなければ、触ったこともない人が多いのは事実です。解剖実習を経験したことない人が、人体についてとやかく言っているのはおかしな話ですよね。もちろん僕は国内と国外併せて100時間以上の解剖実習を経験しています。

 

話がちょっと脱線してしまいましたが、筋膜についてはまだまだ研究段階で、わからないことが沢山あることも事実なので、僕がここで述べていることも今後どう変わるかは定かではありません。

 

筋膜の癒着・シワ・ゆがみ

良く目にしたり耳にするのが「筋膜の癒着・シワ・ゆがみ」です。

一般の方にわかりやすいように説明していると思うので、この辺の言葉に関しては深く突っ込まないようにしたいと思います。

筋膜に起きてしまった問題を解消する=筋膜リリース

と考えるわけですが、筋膜に起きてしまった問題っていうのは何でしょう。

 

先ほども述べたように、筋膜はエラスチンとコラーゲンの2つの繊維で構成されています。図では平面的に描いてありますが、実際には3Dの立体構造です。

この2つの繊維の間や周りには細胞外基質(ECM)と呼ばれる、体液をたくさん含んだ組織があります。

この細胞外基質はエラスチンやコラーゲンを作る、線維芽細胞を有していますが、普段は筋膜の伸び縮みで体液を循環させて、その線維芽細胞を養っています。

しかしながら、運動不足や悪い姿勢を取り続けると、細胞外基質の流動性が低下し、ドロドロの状態になってしまいます。これをゲル化といい、筋膜の滑走性低下の原因にもなります。

そしてゲル化が起きてしまうと、エラスチンやコラーゲンの新陳代謝を妨げ、筋膜の復元性が低下します。そうなると、細胞外基質の流動性は余計に低下し、コラーゲンに糖質がついてグリケーションという現象が起きてしまいます。

こうなると、コラーゲンと糖質のべたつきのせいでエラスチンの伸縮性が低下し、元に戻る力が無くなってしまい、隣接する筋肉の動きが制限されて血液循環まで悪くなり、痛みやコリといった状態に発展します。

厳密にはゲル化してしまった細胞外基質にたいして、とっても微細な神経線維や未熟な毛細血管が出来てしまうために、元々の細胞外基質の役目を果たさないというか、別なものに変異してしまうことが、痛みや動きの制限につながってしまうわけです。

 

フォームローラーやボールでコロコロは間違っている!

あなたは筒状のフォームローラーやボールなどで筋膜リリースができると勘違いしていませんか?

はっきり言いますと、できません!

「でもやっていると、カラダはよく動くし、痛みもなくなってくるよ!」

という方は、それは筋膜リリースではなく、単なる道具を使ったマッサージにすぎませんよ。

なので、効果があることはイイことですが、それは筋膜リリースとしての効果ではありません。(決して効果そのものがないと言っているわけではないです)

フォームローラーやボールなどは筋肉自体や先ほど述べた固有受容器や神経、血管に働きかけることで出来るケアであって、筋膜そのものに変化を与えることはできません。むしろコロコロすることでなぜ筋膜の癒着がはがれたりするのでしょう。マッサージを手ではなく道具を使ってやっただけの話ではないでしょうか。

しいて言うなら、筋線維自体に出来てしまったトリガーポイントを対象にしたケアとしては非常に有効だと思います。トリガーポイントに関しては今回は取り扱いません。

 

その中でも、気持ちがイイからと言って、全体重を載せて、コロコロではなくゴリゴリやっている人は要注意です!

あなたもやっていませんか?気持ちよさに任せてゴリゴリと。

これでは強いマッサージを受けているのと変わらず、筋線維や浅筋膜といった比較的柔らかい組織を傷めかねません!そうすると結局、その場では気持ちがいいけど、傷ついた組織が固くなってまたコリや痛みを発してしまうのです。

せっかくケアをしているのに、逆効果からの悪循環になってしまっては仕方がありません。刺激は軽めにしましょう。それでも身体はきちんと反応してくれますよ。

 

正しい筋膜リリース

ではどうすれば筋膜リリースを正しく行えるのでしょうか。

筋膜の構造から考えていくと、筋膜にはコラーゲンという固い繊維がありました。

残念ながらその固いコラーゲンそのものを変化させることは並大抵のことではできません。

ものの本には

「通常ストレッチは20秒から30秒くらいを目安に行っていると思いますが、それを最低でも60秒以上、長い時には5分近く伸ばす必要があります。しかもただ伸ばすだけではなく、ある程度の圧迫もかけながらのストレッチになります。」

とあります。

しかしながら、この場合変化が起きているのは、コラーゲンというよりは、コラーゲン組織の周囲にある細胞外マトリクス(基質)の流動性の変化と言われています。

外から外力がかかると、はじめはエラスチンが伸びはじめ、さらに力が加わると、元に戻ろうとするエラスチンに引っ張られて、コラーゲンもほんの少しだけ伸ばされてきます。すると細胞外基質の流動性が回復してきてゲル化が解消されていきます。(ゾル化)

こうなると筋膜自体が引き延ばされ、元の状態に戻り、コリや痛み、むくみまでも解消できるというわけです。

左が正常な筋膜、右は縮こまってしまった筋膜

 

筋膜がゆがんでしまう原因は、悪い姿勢を長時間取り続けていたり、運動をしない(身体を大きく動かさない)、間違った動きを続けている(クセ)ということです。要は何日、何カ月、何年と時間をかけて筋膜を不動化したり、継続的な外力が加えられたということです。

それを解消するのには、長い期間を要するということです。

短時間でちゃちゃっとやっても筋膜はきちんと伸びてはくれません。なので効果は低いし、長続きもしないのです。

本来であれば、きちんとした施術者に的確な施術をしてもらうのがよろしいでしょう。

 

追記:個人的に尊敬している河合智則氏(Doctor of Chiropractic)によると、筋膜に関しては根拠をしっかりと示せている研究自体がまだまだ少ないということで、現時点で示せる最良の筋膜リリースになります。

 

また筋膜リリースを行う際には、その原因となっている部分を探さなければいけませんが、一般の方にはこれが一番難しい部分です。

やみくもに全部伸ばしていけばいいわけではなく(そんなことをしたらかなりの時間を要します)、どこの筋膜が問題で、どこに症状が出ているのか、ということを考えて施術しなければいけないということです。

また筋膜や筋肉のつながりも理解しないことには、効果は期待できないでしょう。一部ではセルフ筋膜リリースという本が出ていて、それに沿って行えば大丈夫なんてうまいこと書いてあるものもありますが、厳密な意味での筋膜リリースではありません。ストレッチという言葉に飽きてしまった人が、筋膜リリースという名前にすれば興味を引いてやってくれそうということで行っているだけです。

そういった意味で、筋膜リリースの効果をきちんと出したいのであれば、専門家に一度見てもらうことをオススメします。

 

筋膜リリースの効果

では、単なるストレッチやマッサージと違う筋膜リリースにはどのような効果があるのでしょうか。

①なんといってもあなたが抱えている慢性的な肩こりや腰痛が軽減します!

今まで、自分で揉んでみたり、マッサージ店に行って強く揉んでもらったりしていたコリが減少していきます。

②そして、身体の動きが非常に楽になります!

筋膜の滑走性・流動性が出てくると、動きの制限が少なくなるために、肩の動きであったり、身体のひねりというのがスムーズになります。

③パフォーマンスが上がります!

あなたがやっている、テニス、マラソン、ゴルフ、野球、サッカーなどのパフォーマンスが劇的に上がります。それは上記で述べたことが総合的に影響するからです。

 

また、筋膜リリースはやみくもに行うのではなく、きちんとした評価をした上で行うので、自分が気づいていなかった原因にも気づくことが出来ます。そうすることによって、もう治らないと諦めていた痛みやクセというのが改善していく可能性が大いにあるのです。

 

筋膜リリースのまとめ

ここまで長々と難しいことを書いてきましたが、一番言いたいことは、筋膜リリースはそんなに簡単に出来るものではないということです。

巷で流行っている筒状のフォームローラーやボールでは皆さんが思っているような筋膜の癒着・シワ・ゆがみを解消することはできないんです。ただし、筋膜は変化しませんが、筋膜周囲の組織に変化を与えることはできるので、それなりの効果は期待できます。

本当の意味での筋膜リリースを受けてみたい方はそれなりの専門家を訪ねてみてください。そこでいきなりローラー持ってきたら、その人は筋膜をわかってない人だと心の中で思ってください。

ましてや最近増えている、エステでの筋膜リリースは完全に怪しいものです。

 

しかしながら途中でも述べたように、筋膜に関する研究はまだまだ少なく、根拠がしっかりと示せている論文などは非常に少ないのが現実です。なので、今後どんどん筋膜に関する真実が解き明かされていくのを楽しみに待ちましょう!わかったときには、このブログでもシェアしたいと思います。

それでは、正しい知識で筋膜をリリースして、快適な生活を送りましょう!

 

僕がやっている二子玉川カイロプラクティック ライフプラスでもきちんとした筋膜リリースを提供できますので、お気軽にご相談ください。

 

参考:人体の張力ネットワーク 膜・筋膜―最新知見と治療アプローチ
河合智則氏
(1)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4637917/
(2)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26587061
(3)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22580977
(4)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/27749733/
(5)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4299735/
図:Tarzanより

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